女ひとり旅


 

 

はじめて、ひとり旅をしました。

着いてから一人で何をしよう。

用事で東京へは何度も一人で行っているので心配ではなかったけれど、それを考えると少しだけドキドキしました。

東京へ行く時は、たいていお昼頃のフライトですが、今回は平日朝のフライト。
6時からチェックイン、お店は早くても6時半から開店だったので、少し早く着いてしまった私は、椅子に座って半分眠って待っていました。

いつものお昼頃のフライトは、サラリーマンや外国人、年配の方が多いのですが、朝は、サラリーマンに混ざって、海外の団体さんや旅行へむかう若い女の子二人組がちらほら。

何度か女の子二人組が、珍しいものを見るように、大声で何かを言いながら私に近づいてきました。

ひとりでいる寂しげな人を見に来たのかな。

大人気ないけれど、その無邪気な好奇心になんだか少しムッ…としました。

到着した観光地での水族館、男性ひとりはちらほらいたけれど、女ひとりは私だけ。
年配ご夫婦の、どことなく責めるような視線。

平日のお昼間、ひとりでふらふら遊んでいるから?
私は何も悪いことしていない。

東京ではおひとりさまがたくさんなので、ひとりで遊びに行ったり、ごはんを食べたりすること、今まで気にしていなかったけれど、女ひとり旅はへんなのかも。
そんな弱気な気持ちが投影されたみたいな、些細な出来事にイライラしている自分がちょっとだけ悲しくなりました。

 

でも、ひとりで旅をしていると、微かにただよう潮風を感じながら、知らない土地の街の音に耳を澄ませて、

どんなふうに歩いたら、この街に馴染むかな。

そんなことを思いながら、ふらりと歩く時がある。
なんだか、この土地に引っ越してきたみたいな気分。
どこか心細いけれど、全てがリセットされたような。

都会では、おひとりさまは珍しくないので良くも悪くもスルーだけれど、地元の方は、お店の人もタクシーの運転手さんも、心細さを包んでしまう位あたたかい。

そんな、もう無くなったと思っていた“人のあたたかさ”や未熟な自分へのほのかな痛み、そして、その土地の静かな澄んだ空気のフィルターに、自分の輪郭が再編成されていくみたいなのです。

これが、ひとり旅の一番の魅力なのかもしれません。
次の旅では、きっと些細な視線にも微笑むことが出来るから。

 

たった一泊だったけれど、ここは私のひそかな故郷。

 

 

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